製鉄といえば、高い煙突、巨大なタンク、壮大な溶鉱炉をイメージしがちですが、それは海外から鉄鉱石を輸入して巨大なプラントで製鉄を行う高炉製鋼のほうです。
電気炉製鋼は、地域で出たスクラップを原料に鉄製品をつくり、地域に還元するもので、輸送にともなう二酸化炭素の排出量も抑えられ、持続可能な開発目標という時代の要請に応えた「永遠の循環を担う」製鋼法です。
本写真集は、高炉製鋼の工場夜景のような工場外観の美しさではなく、スクラップ鉄がアーク放電によって、ダイナミックに炎を上げながら息を吹き返し、精錬、圧延といった工程を経て、新たによみがえっていく様子を活写。
鉄に生きる技術者たちの、再生に賭ける熱い思いとロマンが伝わってきます。
【構成】
集める(原料のスクラップの山)→溶かす(アーク放電が生み出す1600度の炎の世界)→
錬る(経験値がものを言う製錬工程)→延ばす(鉄に粘りと強さを出す圧延工程)→技(機械では補えない人の技)
工程順にダイナミックな世界が繰り広げられます。
巻末には写真解説のページ。